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Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers >

平成20年12月11日,本コレクションに文献を登録した研究者の人数が1,000名に達しました。
1,000人目の登録者は,理学研究院附属地震火山研究観測センター火山活動研究分野研究員の小林知勝さんでした。
このとき登録された論文は,

Stix John and Kobayashi Tomokazu
Magma dynamics and collapse mechanisms during four historic caldera-forming events.
Journal of Geophysical Research, B, Solid earth, Volume 113, Issues 9, 2008, B09205


でした。


小林さんから

Q. 今回の文献はどういった内容のものですか。
火山でカルデラが形成する際,その崩壊過程とマグマ噴出(流出)過程にはどのような関係があるのか,過去100年に発生した4つのカルデラ生成イベントを対象に比較研究したものです。カルデラ形成は種々の火山現象の中でも非常に発生頻度が低いため解析データが少なく,未解明な点が多く残されています。今回我々は,山頂が陥没していくプロセスの違いは何によって制御されているのかという問題に焦点をあて,ここ100年と"最近"発生した噴火で獲得された地球物理・地質・岩石学的データを多角的に検証しました。

Q. どうしてこの研究をはじめたのですか。
博士課程在籍時に,カルデラ形成に伴って観測された地震の解析をしていました。その研究成果を学会で発表したところ,今回の論文の共著者であるMcGill大学のStix教授に興味を持って頂き,共同研究を持ちかけられたのがきっかけです。私は地球物理学,Stix教授は岩石学・地質学的アプローチが専門で,それぞれ異なる研究領域にいましたが,そのことが逆にカルデラの議論を総合的に進めることになりました。

Q. 今後の研究活動について教えてください。
滅多にお目にかかれないカルデラ形成ですが,2000年三宅島の火山活動はその発生の過程を間近で観測することができた貴重な出来事でした。このとき観測された地震データを用いて,カルデラの形成前後に火山体内部でどのようなことが進行していたのかを調べていきたいと思っています。これまでの解析から,山頂が陥没する数日前から頻繁にマグマ溜りが膨張する現象を発見しており,これらがカルデラ形成とどのような関係を持つのか,その発生メカニズムについて研究を進めているところです。

Q. HUSCAPに掲載されたあなたの論文をどのような方々に読んでほしいですか。
カルデラの研究者はもちろんのこと,カルデラ研究に携わったことのない方々にも多く読んで頂きたいと思います。最近,国内外ではカルデラの研究が盛んになっています。非常に難しい研究対象ですが,この論文が多くの方に読まれ議論され,今後のカルデラ研究の発展の一助になってくれればと思います。


小林知勝(北海道生まれ,東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。現在,北海道大学大学院理学研究院附属地震火山研究観測センター研究員)
専門は火山物理学,地震学

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